医療情報

2020.07.19

大腸カメラってつらくない?

 こんにちは、まだまだジメジメしたうっとうしい天気が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

 今日は、当院でも予約が増えてきた大腸の内視鏡検査についてお話ししたいと思います。大腸カメラってつらくない?とちまたでよく耳にすることがあります。大腸カメラは肛門から内視鏡を盲腸まで挿入して、そこから引き抜きながら詳しく大腸全体の粘膜面の変化を観察する検査になります。胃カメラの場合には、胃の形に多少の個人差はあるものの、似たようなルートを十二指腸まで観察する検査ですが、大腸は腸の長さだけでなく、腸の屈曲の程度も人によって千差万別で、複雑に屈曲していたり手術等の癒着があったりすると、内視鏡の挿入がむずかしくなる場合があり、挿入時に苦痛を生ずる原因になります。

また、胃カメラの場合は絶食で来院すれば即日での検査も可能ですが、大腸カメラの場合は食事を抜いても大腸に便が残っているため、そのままでは詳しい検査はできません。このため、大腸検査前の前処置が必要となり、通常は前日に専用の検査食を食べてもらい(ご希望により検査食を食べなくても検査は可能です。食事内容はスタッフから事前に詳しく説明させていただきます。)、前々日と前日の就寝前に水薬の下剤を飲んで頂きます。そして検査当日に、大腸の中に残った便を出して腸の中をきれいにするために、腸管洗浄液という下剤を飲んでもらいますが、この量がかなりの量になるため前処置がつらいと言われる方も少なくありません。当院では何種類かのお薬を用意して、皆様に前処置の負担が少しでも軽くなるように配慮しながら、検査のご予定を立てております。また下剤の内服場所についても、院内の個室で飲んでいただくか、自宅で飲んでいただくか選択できますので、お気軽にご相談ください。

 当院ではなるべく検査時の苦痛が少なくなるように、鎮静剤を使用しての検査も行っております。「初めての内視鏡検査ですごく心配」、「以前に施行した検査がすごく苦しかった」などの理由で、大腸カメラを受けることを躊躇されている方はぜひ一度ご相談ください。検査中は眠ったような状態で、ウトウトしながらリラックスして検査を受けていただくことが可能です。検査後もベットの上に横になったままでリカバリースペースでお休みいただき、目が覚めたら検査結果を診察室で詳しく説明させていただきます。

 「最近便秘がひどくなった」、「時々便に血が混じる」、「お腹が張ったり、下腹部が痛くなる」、「血便や下痢がしばらく続いている」などの症状がある方や、健診・人間ドック等で便潜血が陽性であったり、貧血を指摘されたりした方は、大腸に重大な病気が潜んでいる可能性もありますので、ぜひ一度大腸カメラを受けていただくことをお勧めします。大腸カメラやお腹の症状などについて些細なことでもご質問やご相談がおありの時は、お気軽にお問い合わせください。

 まだまだ蒸し暑いジメジメしたお天気が続きますので、体調にはくれぐれもご自愛いただきますようにお願いいたします。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

2020.07.12

腹部超音波検査について

 こんにちは、院長の石橋です。ジメジメした梅雨空が続く中、いかがお過ごしでしょうか?今回は、当院で内視鏡検査以外に積極的に施行している腹部超音波検査についてお話したいと思います。

 腹部超音波検査は、腹腔内ならびに骨盤内臓器の病変や腹水、出血などの有無を、体に負担なく調べることができる検査法です。検査自体は、おなかに超音波の透りを良くするゼリーを塗ってから、超音波を発するプローブという機械を当てて、反射した超音波を画像化して調べます。超音波は、臓器の硬さや厚さ、しこりの有無などによって、反射の仕方が異なるため、臓器の腫れや萎縮のみならず、臓器内の腫瘤や腹水・出血などが診断できます。またX線検査では放射線の被ばくのリスク、造影剤使用時のCT検査やMRI検査では、造影剤によるアレルギーや腎機能障害のリスクが少なからずありますが、超音波はいくら体内に照射しても問題はありません。おなかにプローブを当てて調べるだけなので、検査時の苦痛もなく身体に優しいだけでなく、肝臓、胆のう、すい臓、腎臓、脾臓、前立腺、膀胱など多くの臓器を一度に調べることが可能です。また超音波検査のみで診断が確定するわけではありませんが、肝硬変症、肝臓がん、肝血管腫、胆のうポリープ、胆のう結石、急性胆のう炎、胆のうがん、急性膵炎、慢性膵炎、膵がん、膵のう胞、腎結石、尿管結石、腎臓がん、脾腫、前立腺肥大症、前立腺がん、膀胱がんなどの疾患の診断に有益な情報が得られます。さらに胃・大腸などの進行がん、胃腸炎、虫垂炎、腸閉塞などの診断においても、超音波検査が威力を発揮するケースが少なくないことを経験しています。

 当院では、医師の診察室のベッドサイドに超音波診断装置を置いており、何らかの腹部症状があり来院された方や、健康診断や人間ドックで異常を指摘された方などに、積極的に超音波検査を実施しています。また、胆のうポリープや肝血管腫などの経過観察やがんの治療後のチェックのために定期的な検査も行っており、もし気になる症状が続いていたり、健診・ドックで異常を指摘された場合には、お気軽にご相談ください。

 もし超音波検査をご希望の場合は、事前の食事は抜いてきていただくほうが、食事の影響を受けずに精度の高い検査が受けられることが多いと思われます(午前の診療では朝食、午後の診療では昼食抜きで)。特に超音波検査で観察されることが多い胆のうについては、食事を摂ると収縮するため、結石やポリープなど詳細な観察が困難となる場合もあり、絶食での検査をお勧めしています。また膀胱を観察する場合には、尿を溜めておくことが必要です。体格の大きい方、太った方、腸管ガスの多い方などは、超音波による描出自体が難しいことが少なからずありますが、3万件を超える数多くの超音波検査の臨床経験がありますので、ご安心ください。

 超音波検査で、腫瘤がある、腹水がある、リンパ節が腫れているなどの異常が見つかった場合には、腫瘍マーカーなどの血液検査や造影CT・MRI検査、PET検査などの精密検査が必要になります。血液検査は当院でもできますが、CT・MRI検査やPET検査などは他の医療機関などで受けていただくことになります。当院では、CT,MRIなどの画像診断を専門とするクリニックや仙台厚生病院、仙台医療センターなどの高次医療機関との連携もとれておりますので、検査所見にあわせて適切なタイミングで各医療機関にご紹介させていただきます。腹部超音波で異常が見つかった場合には、おなかの中の臓器に何らかの病気が潜んでいる可能性があります。日ごろから腹部症状が気になる方はもちろんのこと、自覚症状がなくても健診、ドックなどで異常を指摘された方など、早期発見・早期治療のために、一度超音波検査を受けていただくことをお勧めいたします。

 

2020.07.10

胃カメラ検査について

 7月15日から、いよいよ令和2年度仙台市胃がん検診胃内視鏡検査が始まります。当院にも検診の予約の電話が入ってきており、少しずつ地域の方々に認知されてきていることを実感しております。

 当院では、積極的に鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査を実施しております。胃カメラ検査には、口からカメラを挿入する経口内視鏡と鼻からカメラを挿入する経鼻内視鏡の2種類があります。通常は経口内視鏡にて検査を行うことが多いと思われますが、のどを通る際に“おえっ”となる反射(咽頭反射)を伴うことが多く、胃カメラ検査が“苦しい、きつい”という印象を持たれる原因になっています。鎮静剤を用いた胃カメラ検査では、この“おえっ”となる反射をできる限り少なくし、リラックスした状態で検査を受けることが可能です。このため、安定した状態で検査が施行できるので、咽頭反射が頻回に起こって条件の悪い中で検査を施行するよりも、より細かな観察ができ、より短時間で検査を終了することが可能です。これに対し、“車で来院した”、“当日の車の運転がどうしても必要”、“鎮静剤を使うのが心配”などの理由から鎮静剤を使えない方に対しては、鼻からの胃カメラ検査をお勧めしています。鼻からの胃カメラ検査では、“おえっ”となる反射の起きやすい部分を避けて食道に挿入されるため、比較的楽に検査を受けることが可能と思われます。ただし、鼻腔(鼻の孔)が狭い、鼻血が出やすい方などでは、挿入時の違和感や検査後の鼻出血が生じる場合があります。このため当院では、この検査の前処置については、鼻腔の十分な局所麻酔と少しでもカメラが余裕をもって挿入できるようにスティック法という処置を全例に行って、少しでも挿入時のトラブルが減るように心がけております。

 また鎮静剤を使用する場合には、必ず血圧と血中の酸素濃度をチェックしながら、少しずつお薬を入れてお薬による副作用(特に呼吸が弱くなること)が極力起きないように、注意しながら検査を施行しておりますのでご安心ください。検査が終了したら、30分から1時間程度ベットの上でお休みいただき、しっかりとお薬の効果がなくなったことを確認してから、検査結果の説明、ご帰宅になります。ただしお車の運転は、鎮静剤の使用時には出来ませんので、お気を付けください。

 胃カメラ検査にかかる費用については、1割負担の方で1500円程度、3割負担の方で4500円程度になります。また粘膜の一部を採取して調べる組織検査が追加になった場合には、それぞれ1割負担の方で3000円程度、3割負担の方で9000円程度になります。

 検査に際して経口内視鏡にするか、経鼻内視鏡にするかは、患者様のご希望により選択が可能です。もしどちらの検査を受けるのが良いか判断に迷う場合でも、詳しくお話をうかがって、より適切な検査の方法を一緒に決めさせていただきます。また当日来院された方でも、事前の食事をとっていなければ(午前の検査であれば朝食を食べていない、夕方の検査であれば食後8時間近く経っている場合)、検査枠の空き状況によって即日の検査も可能ですので、胃カメラ検査で何かご相談があれば、お気軽にご来院ください。

 まだまだ梅雨空とムシムシした天気が続きますが、体調管理にはお気を付けてお過ごしください。

2020.07.08

ピロリ菌について

 梅雨空が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?開業からあっという間に2週間が経過しましたが、院内の設備や内視鏡検査のオペレーションもだいぶ整い、皆様をお迎えする準備が出来てきていることを日々実感しています。

 さて皆様は、「ピロリ菌」についてはご存じですか?ピロリ菌が発見されるまでは、強酸の環境にある胃内には細菌は存在しないと考えられていましたが、胃の中にある尿素からアンモニアを生成し、周りの酸を中和して生きている細菌がいることがわかり、それがピロリ菌でした。ピロリ菌は胃に感染することにより、長期にわたって胃粘膜の炎症を起こして慢性胃炎になったり、消化性潰瘍の原因になると考えられています。このように慢性化した炎症により、胃粘膜の防御機能が低下して、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすい状態になり、潰瘍や胃がんを起こしやすい下地がつくられてしまうのです。ピロリ菌感染があっても慢性胃炎のままで、潰瘍や胃がんを起こさない人のほうが多いとされていますが、除菌しない限り胃炎が治ることはないので、胃がんのリスクとなります。除菌することにより、ゼロにはなりませんが、胃がんのリスクを減らすことが可能です。

 ピロリ菌の感染の有無を調べるには、いくつかの検査方法があります。尿素呼気試験、血液検査・尿検査(ピロリ抗体)、便検査(便中ピロリ抗原)や胃カメラ検査時に粘膜を採取して調べる方法などがあります。しかし、いずれの検査も100%の精度ではないため、1つの検査で陰性と診断された場合には、他の検査も併用して行うことが推奨されています。

 ではピロリ菌の治療はどのようにすればよいでしょうか。除菌療法といって、3種類のお薬(2種類が抗生物質、1種類が制酸剤です)がパック製剤になったものを1週間内服します。きちんと内服すれば、約9割の方が除菌されます。しかし、ペニシリン系の抗生物質が入っているため、ペニシリンアレルギーのある方は治療出来ませんので注意が必要です。もし除菌に失敗した場合でも、二次除菌が保険上認められており、一種類の抗生物質が変更となったパック製剤を一次除菌と同様に1週間内服します。二次除菌で、除菌されなかった方の多く(約9割)が除菌されると言われており、一次除菌後に除菌できたかどうかの効果判定を行い、除菌できていない場合は二次除菌をきちんと受けることは重要と考えます。

 次に除菌判定の検査についてですが、当院では基本的に除菌治療終了後から8週間以降に尿素呼気試験による判定を行います。この時に注意する点は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)という制酸剤を内服していると正確な判定結果が出ないことです。そのためこの薬剤を内服している場合は、2週間以上内服を休んでから検査を行います。

 ピロリ菌の感染が確認された場合の除菌治療は大事ですが、除菌によりがんのリスクがゼロになるわけではありません。除菌後も定期的な胃の検査(可能なら胃カメラ検査)を受けるようにお話しさせていただいておりますが、もしピロリ菌の検査・治療に関してのご質問等がある場合はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

2020.05.22

医療情報を更新してまいります。

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