医療情報

2020.07.08

ピロリ菌について

 梅雨空が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?開業からあっという間に2週間が経過しましたが、院内の設備や内視鏡検査のオペレーションもだいぶ整い、皆様をお迎えする準備が出来てきていることを日々実感しています。

 さて皆様は、「ピロリ菌」についてはご存じですか?ピロリ菌が発見されるまでは、強酸の環境にある胃内には細菌は存在しないと考えられていましたが、胃の中にある尿素からアンモニアを生成し、周りの酸を中和して生きている細菌がいることがわかり、それがピロリ菌でした。ピロリ菌は胃に感染することにより、長期にわたって胃粘膜の炎症を起こして慢性胃炎になったり、消化性潰瘍の原因になると考えられています。このように慢性化した炎症により、胃粘膜の防御機能が低下して、ストレスや塩分の多い食事、発がん物質などの攻撃を受けやすい状態になり、潰瘍や胃がんを起こしやすい下地がつくられてしまうのです。ピロリ菌感染があっても慢性胃炎のままで、潰瘍や胃がんを起こさない人のほうが多いとされていますが、除菌しない限り胃炎が治ることはないので、胃がんのリスクとなります。除菌することにより、ゼロにはなりませんが、胃がんのリスクを減らすことが可能です。

 ピロリ菌の感染の有無を調べるには、いくつかの検査方法があります。尿素呼気試験、血液検査・尿検査(ピロリ抗体)、便検査(便中ピロリ抗原)や胃カメラ検査時に粘膜を採取して調べる方法などがあります。しかし、いずれの検査も100%の精度ではないため、1つの検査で陰性と診断された場合には、他の検査も併用して行うことが推奨されています。

 ではピロリ菌の治療はどのようにすればよいでしょうか。除菌療法といって、3種類のお薬(2種類が抗生物質、1種類が制酸剤です)がパック製剤になったものを1週間内服します。きちんと内服すれば、約9割の方が除菌されます。しかし、ペニシリン系の抗生物質が入っているため、ペニシリンアレルギーのある方は治療出来ませんので注意が必要です。もし除菌に失敗した場合でも、二次除菌が保険上認められており、一種類の抗生物質が変更となったパック製剤を一次除菌と同様に1週間内服します。二次除菌で、除菌されなかった方の多く(約9割)が除菌されると言われており、一次除菌後に除菌できたかどうかの効果判定を行い、除菌できていない場合は二次除菌をきちんと受けることは重要と考えます。

 次に除菌判定の検査についてですが、当院では基本的に除菌治療終了後から8週間以降に尿素呼気試験による判定を行います。この時に注意する点は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)という制酸剤を内服していると正確な判定結果が出ないことです。そのためこの薬剤を内服している場合は、2週間以上内服を休んでから検査を行います。

 ピロリ菌の感染が確認された場合の除菌治療は大事ですが、除菌によりがんのリスクがゼロになるわけではありません。除菌後も定期的な胃の検査(可能なら胃カメラ検査)を受けるようにお話しさせていただいておりますが、もしピロリ菌の検査・治療に関してのご質問等がある場合はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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